なぜ?に答える ワンポイント情報

- 冬の寒さや乾燥により、私たちの鼻やのどの粘液は減少し、粘膜は低温・乾燥の状態になります。この状態は、ウイルスや異物を排出する線毛の動きが鈍くなるだけでなく、ウイルスが増殖する格好の条件でもあります。冬にかぜをひきやすいのは、このためです。

- ウイルスが鼻の粘膜に感染すると、炎症が起こります。炎症は体を攻撃するウイルスなどに対して起こる体の防御反応の結果、生じるものです。炎症部位ではヒスタミンやプロスタグランジンなどの化学伝達物質がつくられます。
これが知覚神経を刺激すると、脳のくしゃみ中枢に伝わり、くしゃみが出ます。一方、この刺激が分泌・血管運動中枢に伝わると、鼻腺から粘液の分泌が盛んになります。これが鼻みずです。また、化学伝達物質は血管を拡張させ、中の成分をもれ出しやすくします。もれ出た成分が組織にたまると鼻づまりになります。

- くしゃみや鼻みずの原因になるのはヒスタミンの刺激といわれています。抗ヒスタミン薬は、ヒスタミンが神経や血管を刺激するのをブロックする作用があります。神経や血管の細胞にはヒスタミン受容体というかぎ穴のようなものがあります。ここにヒスタミンがはまると刺激となって、くしゃみや鼻みずが出ます。抗ヒスタミン薬はヒスタミンに先回りして、このヒスタミン受容体を塞ぎます。するとヒスタミンはかぎ穴にはまれません。このようにして抗ヒスタミン薬はくしゃみや鼻みずなどを抑えます。

- ウイルスがのどの粘膜に感染して炎症が起こると、ヒスタミンやプロスタグランジンなどの化学伝達物質がつくられ、知覚神経を刺激します。プロスタグランジンは刺激を増強させる作用があり、これがのどの痛みとなって感じられます。
神経が刺激を受けると、脳のせき中枢が興奮し、せきが出ます。また、炎症部位ではウイルスと白血球などの免疫細胞が戦っています。これらの残骸やウイルスが感染した粘膜細胞などが粘液と混ざり合って、たんになります。このたんを吐き出すために、せきが出ます。

- せきの原因になるのは、のどにからまるしつこいたんです。去痰薬は、たんの粘り気を薄めたり、滑りをよくしたりすることで、たんを出しやすくする作用があります。

- ウイルスが鼻やのどの粘膜に感染して炎症が起こると、脳の体温調節中枢でプロスタグランジンがつくられます。これにより体温が上昇し、発熱するのです。

熱が出た場合、わきの下や足の付け根など、関節の内側を冷やすと効果的です。このあたりは皮膚に近いところを太い動脈が通っているので、全身を巡る血液を効果的に冷やすことができるのです。

- 発熱や痛みの原因になるのがプロスタグランジンです。プロスタグランジンは細胞膜で酵素の働きによってつくられます。解熱鎮痛薬の中でも、イブプロフェンのような非ステロイド性抗炎症薬は、この酵素の働きを阻害する作用があります。これによりプロスタグランジンがつくられるのを抑え、発熱や痛みにするどい効果を発揮します。

- かぜの原因の9割はウイルスで、その種類は200以上といわれています。ウイルスは、感染した人のせきやくしゃみに混じって空気中にばらまかれます。それを吸い込んだり(空気感染)、
せきやくしゃみを浴びたり(飛沫感染)、ウイルスがついた手で鼻や口を触ったり(接触感染)することで、体内に侵入します。そのため、この感染経路を防ぐのに効果的な『手洗い・うがい・マスク』が、かぜ予防の3種の神器といわれるのです。